エセ文学少女の本棚

これを読んだら読書感想文が書きやすくなる。ファッション読書家をきどれちゃう。……そんな事なくてひたすらに本の愛情を語ってます。

幽霊詐欺師ミチヲ 黒史郎

ふらっと図書館に行ったら好きな作家、黒史郎さんの本があったので借りてきました。

黒史郎さんはいい意味でクソみたいな表現が上手いんですよね(褒め言葉)

あ、そこまで書いちゃう? そこそんなふうに書いちゃう? え、そんなにリアルに書いちゃうの? みたいなね。上手いんですよねー、人間全体の闇とか、そういうのが。



それで、今回借りたのは「幽霊詐欺師ミチヲ」ってシリーズです。

黒史郎さんは小さい頃からの妖怪好き。なので今作にも期待が持てます。小さい頃から妖怪に慣れ親しん出来た黒史郎さんだからこそかける物があると思うんですよね。

さてあらすじ。自殺しようとしたミチヲの目の前に一匹の犬、そしておっさんが現れます。おっさんはおっさんでもイケオジなんですけどねー(イメージ)

ミチヲは結婚詐欺に引っ掛かって借金をしてしまい、家族も祖父だけなんで自殺を考えて初めました。そこにイケオジのカタリに出会い、命を買われます。そしてミチヲは不本意ながらも詐欺師として行きはじめる事に……。


この作品は主人公が自殺を考えるほど弱い人間なんです。だからこそ共感出来る。

地の文は割とエグくて、効果音が入ったりと少しラノベっぽいので、「ラノベばっか読んでるからたまには全然違うのも読んでみたいよー」なんて人におすすめです。

幽霊と人間。加害者と被害者。詐欺師と純粋無垢な女子供――。

それぞれの役割を持った――持たされたともいう――主人公ミチヲの活躍を是非見てくださいね。




幽霊詐欺師ミチヲ (角川ホラー文庫)

幽霊詐欺師ミチヲ (角川ホラー文庫)